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北海道幌加内町の朱鞠内湖で釣れるワカサギは極寒の中でも美味しい!釣り好き必見の穴場スポット!

日本一寒い町に行きませんか?

そう、言われたのは2016年末のこと。

「なんですと? めっちゃ面白そうじゃないですか。行きます! 絶対に行きます!」と二つ返事で答えました。このときは「なかなか行けるところじゃないから楽しみだなー」と軽く考えていたわけで・・・。

行き先は、北海道幌加内町。旭川から北に2時間ほどの町です。

今回、誘わってもらったツアーは、今後の幌加内町の観光振興に向けて、冬のコンテンツを一般発売の前に体験させてもらうプレスツアー。冬の北海道のアウトドアアクティビティを体験して感想や意見を交換をさせてもらい、今後のツアープラン策定に生かしていくという。

アウトドア好きとして、少しでも町の役に立つならばと、勇んで参加を表明したのでありました!

”日本最寒の町”北海道幌加内町 マイナス41.2度を記録

誘ってくれた方に、どのくらい寒いか尋ねると、「その町は日本最寒記録を持っていて、そのときはマイナス41.2度。1月なかばの僕らが行くときはマイナス30〜マイナス20度くらいじゃないですかね」とのこと。

うーん、想像の斜め上を行く寒さ。とにかく最大限の防寒をして来てと言われ、「面白そうだけど、いったい何を着て行けばいいんだろう」と内心、めちゃめちゃ不安になったものです。

ちなみに、そのときの装備についてまとめた記事はこちら>>
【上半身編】タオルも凍る−30度の北海道ってどんな服装? アウトドアウェアの基礎知識
【下半身編】超極寒−30度の北海道ってどんな服装なら大丈夫? とにかく足先を死守!

北海道幌加内町ってどんな町? 実は”日本一”がたくさん!

僕の出身地である茨城県はそばどころとして密かに有名なのですが、そばつながりで幌加内町のことも存在は知っていました。幌加内町は、そば畑の面積が日本一なんですね。「幌加内そば」はそば好きの間では知られた存在。日本一のそばの里というのが1つめの日本一だ。

次の日本一は、今回の旅の目的地でもある日本最大の人造湖「朱鞠内湖(しゅまりないこ)」。1943年に完成したダム湖で、広さは2,373ヘクタール。ヘクタールじゃ広さがピンと来ないと思うので、わかりやすい例を出すと、東京ディズニーランドがなんと30個分! まさに圧倒的な広さだ。

そして、冒頭でも紹介したように、幌加内町は日本最寒記録を持つ町でもある。1978年2月17日に-41.2度を記録。気象庁の公式記録の対象からはずれていたため、旭川の記録(−42度/1902年)が公式記録となっていますが、実質的には、幌加内町が日本一の最低気温を保持しているのだ。

また、幌加内町は東西方向約24km、南北方向63kmと南北に長く、町としてもかなり広い面積を誇っている。冬場などは、雪道でスピードを出せないため、町の端から端まで2時間近くかかってしまうこともあるとか。なにが日本一かというと、人口密度に注目。2016年8月現在の人口は1,572人で、人口密度は2.05人/平方km。幌加内町は「日本一人口密度が低い町」なのだ。北海道といえば雄大な自然をイメージするが、人口密度からわかるように幌加内町は圧倒的な自然の中に人が住んでいる町と言える。

”日本の北欧”とも称される朱鞠内湖ってどんなところ?

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写真:数井星司

朱鞠内湖は人造湖でありながら、湖内には大小さまざまな13の島があり、湖の周囲を豊かな緑に包まれている。自然と調和した美しい景観から、日本の北欧とも称されるほど。冬になると全面凍結して、湖が広大な雪原へと変身。まるで北極や厳冬期の北欧のような、日本ではない気分が味わえるアウトドアフィールドだ。

また、幻の魚として知られているイトウが住む神秘の湖と呼ばれていて、夏には北海道はもとより、日本全国から釣り好きが集まるフィッシングポイントでもある。そんな町で行ってみたので、その魅力をたっぷり紹介しよう!

北海道幌加内町へいざ出発!

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羽田空港7時40分発のJALに乗り込み、いざ旭川空港へ。1時間40分ほどのフライトで、北海道の大地に降り立った。空港内とはいえ、そこはかとなく、ピンと張り詰めた冷たさを感じる。東京都は空気が違う。

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空港の到着口を出ると、温度計が! なんと−19度! 1月24日、9時30分の旭川空港はとっても寒かった。

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訪れた日が今季イチの冷え込みを記録!

ちなみに、この日は当時で、今季最高の冷え込みを記録。そりゃ寒いわけだ。

エゾシカも寒さを叫ぶ氷点下30度以下(Exciteニュース)

後から、朱鞠内湖にいた方から、その日の朝の気温計の写真をもらったので掲載する。

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1月24日、朝7時の朱鞠内湖の気温。マイナス25度をさしているのがわかる 写真:数井星司

車に乗り込み、いざ幌加内町へ出発。

車の中はヒーターが効いていて暖かいものの、窓を見て驚いた。結露で窓についた水滴がすぐに凍っているじゃないですか。カリカリと指先で削っても、削ったそばから凍っていく。北海道の寒さを思い知らされ、あらためてずいぶんと寒いところに来たもんだと実感。

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見渡すかぎり雪! 東京から4時間ちょいで朱鞠内湖に到着

白銀の世界を突き進むこと2時間、幌加内町の朱鞠内湖に到着。時間は12時です。湖畔にある「レークハウスしゅまりない」が旅のベース基地となる。

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羽田を発って4時間ちょいで、見渡すかぎり自然しかない場所に到着。これを遠いと捉えるか、近いと捉えるか、意見はわかれるところだと思うものの、個人的には「4時間でこんなところに来られるなんて日本の自然の幅の広さってすごいな」と感じた。

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レークハウスしゅまりないを除けば、見渡すかぎり雪、雪、雪! 人工物は見当たらない

日本一広い人造湖は移動がすでにアトラクション!

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完全防備の筆者。ぼっち感ハンパないですが、今回は10名ほどのツアーです

昼になり気温はややあがりマイナス15度程度。ウールのベースレイヤーにフリース、インナーダウン、ハードシェルを着込み、アウトドアフィールドに飛び出す。雪ってやっぱりテンション上がります。しかも、いままで味わったことのないサラサラ感。ぎゅっと手で握っても全然、固まらず、サラサラと雪が手からこぼれていく。パウダースノーってこういうことなんですね。

装備も万全にして、いよいよ湖へ。午後の予定は、全面凍結した朱鞠内湖の湖上でランチをとり、ワカサギ釣りをするとのこと。まずはワカサギ釣りのポイントまで湖上を移動。東京ディズニーランド30個分の広さを誇る湖なので、移動はスノーモービル。後ろにつながれたソリに乗り込み、爆走。

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スノーモービルに惹かれているソリの最後尾が筆者。風圧がすごくて、とっても寒い!

移動すら、なんだかアトラクションのようで、テンションが上がる。

5分ほど移動すると、大型のドームテントが見えてきた。ここがワカサギ釣りのベースとなるようだ。

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ワカサギ釣りのベースキャンプ 写真:数井星司

ベースキャンプで今回、ガイドを勤めてくれる辻 亮多さんと合流。

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今回、ガイドをつとめてくれた辻さん。道北エリアでアウトドアガイドとして活動している。 写真:数井星司

カレードリアにミネストローネ 湖上であったかランチ

辻さんが、おいしい食事を用意して待ってくれていた。これが絶品!

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大型テント内でランチ。テント内は焚き火台などもありいくぶん暖かい

極寒のなか、暖かい食事が身にしみる。あったかいって幸せ。

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辻さん特製のカレードリア。チーズたっぷり

ダッチオーブンで作られたカレードリアや、ミネストローネが登場。

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体を動かさなくても、寒いと体温を維持するためにエネルギーがふだん以上に消費されていくとのこと。きちんとカロリーを摂取することも厳寒環境では大事なことだ。こうして、自然の中での生きるノウハウを身につけていくんですね。

いざワカサギ釣りスタート!

穴を掘るところからスタート。氷の厚さは100センチくらいあるものの、ドリルでやるとけっこう簡単に掘り進められる。

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穴が空いたら、ざるを使って細かい氷や雪をすくって、取り除く。これをやらないとエサや釣り糸が氷の下まで届かないので、地味だけど意外と大事な作業だとか。

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小さい釣り竿にエサ(エサとなる白サシが青いケースに入っている)をつけ、糸を穴に垂らす。糸は底に着くまで垂らしたあと、上下にゆっくり動かして、ワカサギをおびき寄せるのだ。

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アタリが来るまで竿を持つ指先に神経を集中させて、あとは待つだけ。穴がほんの1メートル違うだけでも全然、釣果は違う。となりの人は次から次へと釣り上げていく。

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全天周カメラでテント内の様子を撮ってみた。こんな感じで、アタリを待つのです

一方、こちらは全然、アタリが来ず。 そこで、途中から竿ではなく糸を直接、素手でつかみ、アタリがダイレクトに伝わるように手法を変えてみた。そうしたところ、劇的に・・・・・・釣れるようにはならなかったですね、はい。どうやら釣りのセンスはないみたいです。

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体の表面の霜からもわかるとおり、釣り上げたワカサギは外に置いておくとすでに凍っていた

大漁な感じが出ていますが、結局、自分で釣ったのは3匹だけ。

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ワカサギ釣りといったら、その場で調理! 超絶怒涛のうまさキターー!

さっそく、唐揚げにしてもらった。

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さっきまで生きていたワカサギですから鮮度は抜群。外カリッ、中フワッとした食感にあっさりとした味わい。もうでき立てのうまさといったら感激。空前絶後のおいしさです!

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冷蔵庫の中のような環境だったが、「あぁキンキンに冷えたビール飲みてー」と心底思った。ワカサギ釣り最高!

初めてのワカサギ釣りだったが、寒さなんて気にならないくらいとっても楽しかった。あまり釣れなかったのは残念だけど、極寒の地で氷の下の魚の気配をうかがい、集中するのはいいリフレッシュになると思った。おいしいご馳走もついてくるので、またぜひやってみたいですね。

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自分たち以外、人間の気配は一切ない空間。なんとも清々しかった

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このあとは、幻の魚と呼ばれるイトウと遭遇したり、地産地消の夕食をいただいたり、翌日にはスノーシューハイクを体験したり。とにかく書き切れないので、朱鞠内湖レポート続編はあたらめて書こうと思います。

続く>>【北海道幌加内町】魚へんに鬼と書くイトウ釣りに挑戦 朱鞠内湖に棲む幻の魚とは?】

text:tokoro

【PROFILE/tokoro】

茨城県東海村出身の32歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。4年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条


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