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小林市スケーターが急増中!上水流秀明がその裏側を語る

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この春、cazualチームは宮崎県小林市で2週間のプチ移住生活をして、さまざまな取材活動を行なった。そんなプチ移住体験で出会った素敵な人や体験したアクティビティ、実際に住んでみてわかった小林市の暮らし心地をレポートするシリーズ記事を展開中だ。

そんな小林市をさまざまな角度から掘り下げるシリーズ記事の第9回に登場するのは、株式会社ハナ デベロップメント代表の上水流 秀明(かみずる ひであき)さん(41歳)。

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上水流さんは宮崎県小林市で建築設計事務所「ハナ ハウス デザイン」、雑貨セレクトショップ&カフェ「HANA and living.(ハナ アンド リビング)」、ストリートスポーツ事業「NISHIMORO FOREST PARK(ニシモロ フォレスト パーク)」と多角的に事業を展開している。

小林市で生まれ育ったからこそ、この街のいい面をたくさん知っている。そして自身の好きなもの、興味のあることを仕事にしている。上水流さんが実践する小林市でしかできない暮らしは、たくさんのワクワクに満ちていた。


ライフスタイルを見せる場所を作る

手前は雑貨ショップ、奥のエアストリームが設計事務所。

cazual編集部(以下、) 上水流さんは、もともと小林市のご出身ですか?

上水流さん(以下、) はい、そうです。ずっとこの西諸地区(編注:小林市、えびの市、高原町のある宮崎県西部のエリア)です。建築事務所、雑貨のお店、フォレストパークも小林市にあって、全部隣り合ってます。

 どの事業から始めたのですか?

 もともとは住宅建築メインで現場の仕事をずっとやってました。それから資格を取って30歳で建築設計事務所を起業して、現場ではなく設計のほうに携わるようになったんです。いつでも夜逃げできるよう、オフィスにエアストリームを使って(笑)。

事務所のオフィスとして使っているエアストリーム。古い車体を改装して使っている。

僕はもともと絵を描くのが好きだったので、ほかの人がやるような建築設計ではなく、ライフスタイルが見えるような絵を描いてプランを作るんです。この春に市の中心に新しくできたコワーキングスペース「TENOSSE(テノッセ)」の店舗デザインも担当させていただきました。

事務所の様子。インテリアにもこだわりが感じられる。

順番の話に戻りますが、次は設計事務所の隣の土地をたまたま借りることができたので5〜6年前に雑貨のお店を始めて、それから去年、MTBやスケートボードができるフォレストパークを作りました。

 雑貨店のスタートが5〜6年前というのは、ずいぶんアバウトですね。

 時間があるときに店を全部自分で作ったから、なんだかんだで1年くらいかかっちゃって、お店がいつ始まったとかあいまいなんです。この店舗は、設計図は書きませんでした。なんとなく、こんな感じにしようと頭の中で考えながら、自分で柱を立てたり壁を作ったりしていったんです。

 設計図もなしに、更地から家を作れちゃうもんなんですか?

 20代はずっと建築現場で作業をしてましたから(笑)。

上水流さんが自らの手で建てた雑貨セレクトショップ「HANA and living.」。外観もアメリカンテイストに仕上げている。

 雑貨店を作るきっかけは、何だったんですか?

 もともとアメリカン雑貨が好きだったというのもあるのですが、建築設計をするときに、依頼人と会う事務所とは別の場所がほしかったんです。雑貨店みたいなところがあれば、共通項を見つけやすいし、コンセプトも伝えやすい。

 だから店舗内にあるグッズもインテリア雑貨が多いんですね。

 そうです。もともとは、そういうカタチでのスタートでした。それから徐々にインテリアとは関係ない自分の好きなものがふえていった(笑)。

このショップはもともともうけようと思って作ったんじゃなくて、ロケーションやライフスタイルを見せる場所として考えました。このエリアはそもそもクルマがあんまり通らないので、商売向きの土地ではないですから。

「HANA and living.」の店内はアメリカンスタイルの雑貨があふれている。見ているだけで時間を忘れそう。

「自分の遊び場が欲しい」から始まったスケボーパーク

上水流さんが代表を務める株式会社ハナ デベロップメントのストリートスポーツ事業部門が展開する「NISHIMORO FOREST PARK(ニシモロ フォレスト パーク)」。木々に囲まれたなかでスケートボードとMTBを滑走できる日本初となるアウトドアスペシャルコースとなっている。

コースの全長は約400mもあるアスファルトパンプトラックフィールド。BMX、MTB、ストライダー、インラインスケート、スケートボードで遊ぶことができる

 エアストリームを改装した建築設計事務所があり、その隣にカフェスペースのある雑貨店。小道を挟んだ向かい側にはスケボーやMTBで遊べるフォレストパークがあります。こちらは、アウトドアが身近にあるようなライフスタイルを提案するために作ったんですか?

 それが違くて、単純に自分の遊び場がほしかったっていうのが、スタートなんです(笑)。ヒノキを植林したまま、ずっと手入れされていない荒れ放題の土地が事務所の向かい側にあって、土地のオーナーさんに交渉して借りられることになったので、遊び場を作ったんです。

 仕事中の息抜きみたいなスペースですか? それにしては規模が大きいですね(笑)。

 そうですね。広さは600平方メートルあります(笑)。

 借りるにしても、600平方メートルもあるとけっこうな金額になるんじゃないですか?

 ここらへんはビックリするくらい安いです。とは言っても、それなりの賃料は払ってますけどね。

 トラックフィールドは、元の地形を利用してるんですか?

 もともとは、平らなヒノキ林だったんです。だから全部人工的に作っています。

 まったくそうは見えないですね! あまりに自然な感じなので、人工的なんて聞くと驚きです。

 荒れ放題になっていた木々を間引いて、土を盛ったり、掘って凹ませたり。そこに砕石を入れて、最初はマウンテンバイクのコースにしてたんです。でも、あとから「ここをスケボーで滑れたら面白いよね」ってことになってアスファルトを敷きました。

平坦なヒノキ林だったところにあえて起伏を作り上げ、NISHIMORO FOREST PARKは2017年にオープンした

 コンクリートで基礎を打ってからアスファルトを敷いたんですか?

 将来的に自然な状態に戻すことも考えると、コンクリートは処理が大変なんです。アスファルトだと簡単にはがすことができますし、アスファルト自体もリサイクルすることができる。

 環境のことも考えてるんですね。こういうコブ面のことをパンプトラックと言いますけど、アスファルトのものはストリートスポーツが盛んな海外では見かけます。日本ではあまり見かけない気がしますけど、こういうフィールドは日本にあるんですか?

 国内では唯一ですね。

 日本にひとつしかないフィールドを、自分たちが遊びたいから作っちゃった。すごい!

 マウンテンバイクで走りまわれるようなところって、なかなかないじゃないですか。林道とかに行っても、積み下ろしが大変。山の上にクルマを止めてマウンテンバイクで下ってしまったら、クルマを取りに行かなくちゃならない。

 だからといって山の下にクルマ止めても、まず最初にマウンテンバイクでのヒルクライムが待っている。いきなり拷問みたいですもんね。

 だから1ヶ所で完結できる場所がほしかったんです。ここは、いま2年目です。ショップとは違って、フォレストパークは土地を借りてから2〜3ヶ月後には完成してました(笑)。

 そして今では自分たちが遊ぶだけでなく、一般にも開放してるんですね。

 ギアとかのレンタルがなければ、フィールドの使用料は大人1,200円、中学生までが1,000円です。レンタル代はまた別途という感じです。

誰もが遊べる環境を整えたい 最初の入り口にしたい

見た目以上に起伏があり、ペダルをハードにこげば汗がジワリ。木々によって作られるすずしい日陰が心地いい。

 もとからスケボーやMTBなどのストリートスポーツにのめり込んでいたんですか?

 いいえ、全然やっていませんでした。ミーハーだからちょっと始めてみたくなって、ここを作ったようなもんです。

 ぜいたくな始め方ですね! それは毎日毎日楽しかったでしょう。

 楽しかったけど、覚えるのが大変でしたね。やってみて気がついたんですけど、意外に若くなかった(笑)。

 そもそもラインが複雑で、難関コースも設定できますもんね。

 地元の方より、よその方が食いついてきます。

 スケボーもMTBも東京オリンピックの正式種目だというのに、こういう遊び場って、全然普及してない。特に都会では簡単に作れないですもんね。今後は大きなランページを作るとか、予定はあるんですか?

 どちらかとういうと、イベントをしたり、誰もが遊べる環境を整えていきたい。ハードなコースを作ると、ハードルが高くなっちゃうので、それよりは最初の入り口にしていきたいと思っています。

ただ、施設は何らかの形で更新していかないと、次々に新しいところが出てきちゃう。その先を行く必要はあると思ってます。とはいえ、ここは借りてる土地だし、これ以上広げられないので、そういった制約があるなかで試行錯誤しています。

ヒノキの木立を利用して、いくつものハンモックが吊り下げられている。アクティビティに疲れたら、木陰でひと休み。

西諸でしかできない生き方をやりたい

見本になるとまでは言わない。でもこんなやり方もあるというスタイルは見せたい。小林市に住んでいるなら、この街でしかできないライフスタイルを。

上水流さんはニシモロ フォレスト パークで遊ぶだけでなく、イベントも開催し、まちづくりにも貢献している。

 イベントは、どんなことをやろうと考えてるんですか?

 実は今年(2018年)に入ってからゴールデンウイーク前までに3回の大会を開催しました。去年から大会を開催していて、設計事務所とは別にNPO法人を立ち上げて大会を運営しているんです。大会には賞品も出るし、年間チャンピオンも誕生します。優勝賞品として西諸牛や西諸野菜をガッツリとプレゼントして、また西諸に来てもらうことを狙った大会もやりました。

設計事務所とショップは事業系、こういうイベントはまちづくり系という感じで完全に分けてやってます。

 仕事的には、どっちが優先っていうのはないんですか?

 ないですね。建築の仕事ばかりやってると、嫁さんから「スケボーの練習もせんと、パークの代表のくせしてヘタクソだって笑われるよ」って言われちゃうので、遊びも真剣。それでいてスケボーばかりやってると、今度は「ちゃんと建築は見てるの!」って怒られちゃうんですけどね(笑)。

 目の前に、こんなステキな環境が広がってるんですから、遊びの誘惑にかられちゃいますよね(笑)。

 西諸で生きるんだったら、西諸でしかできない生き方をやりたいんです。都会じゃこんな環境はないし、絶対にできない。だったら、それをやったほうがいいのかなって。

 アウトドア アクティビティが好きな人の暮らしには最適の地ですね。

 狙い目ですね。ただ空いている土地はいくらでもあるんですけど、売ってたり貸し出してたりは、なかなかしないものなんです。ロケーションが気に入ったからといって不動産の看板も出ていないようなところに「おいくらで」と交渉すると、高くなっちゃう。

なるべく安く買ったり借りたりするコツは、不動産の看板が出ていても買い手が見つからなくて、看板がもう色あせているようなところと交渉するとうまくいくんです。

 さすがは建築関係のプロですね。交渉術のノウハウをお持ちでいらっしゃる(笑)。

 けっこう駆け引きなんで、そのへんはね(笑)。でも田舎に移住を希望している人には、いろんなものを捨ててやってこっちに来るんじゃなくて、新しい何かを始めるために移住してほしいですね。

僕がここを始める前は、小林市のスケーターってほとんどいなかったんですよ。小林市にスケート目的で来る人もそれまではゼロ。でも今は、たかだか年間500人から600人くらいですけど、ゼロだったものが増えてるんですから。

木々の隙間からひなもり岳が壮大な裾野を広げた姿を望む。

これからのまちづくりのポイントとして、「もともと地元にいる人が、新しいことを始めていかないといけない」と上水流さんは言う。

行動を起こせばゼロではない。それを上水流さんが身をもって示してくれた。新しく来た人、昔からいる人。それらが手を組めば、古いことも大事にした新しい“小林スタイル”が生まれるのではないだろうか。

このNISHIMORO FOREST PARKを作ってからスケボーを覚えたという上水流さん。パンプトラックをすごいスピードで走りまわる。

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■プロフィール

上水流 秀明(かみずる ひであき)さん

1976年、宮崎県生まれ。30歳にして建築デザイン事務所「ハナ ハウス デザイン」を開設。さらに雑貨セレクトショップである「HANA and living.」を開業。そしてNISHIMORO FOREST PARK(ニシモロ フォレス トパーク)を2017年にオープン。これらの事業を株式会社ハナ デベロップメントが運営し、それとは別にイベントをNPO法人ニシモロベースが主催。2つ法人の代表を務める。

施設インフォメーション

■NISHIMORO FOREST PARK(ニシモロ フォレスト パーク)

トランポリンも併設されているので、スケボーやMTBができない子どもたちも十分に楽しめる。

屋根付きの施設もあるので、雨の日も楽しむことができる。ミニランプはスケードボード専用エリア。

スラックラインなども設置され、ふだん使われることのない体幹を鍛えるにはもってこいのプレイランドとなっている。

住所 宮崎県小林市南西方1130-22
TEL 0984-27-3411
営業時間 10:30〜17:00
定休日 毎月第3日曜日
ホームページ http://hanadeve.com/
最新情報はFacebookにて更新中

■HANA and living.

住所、営業時間など詳細はフォレストパークと同じ

「HANA and living.」店内にはカフェスペースが併設され、おいしいコーヒーを味わうことができる。

photo:ULALA

text:アマキン

【PROFILE/アマキン】

本業はクリエイター。アウトドアアクティビティ、DIY、クッキングを得意とすると豪語しながら、すべてはプロフェッショナルには遠く及ばない「素人にしては、まあ上手だな」程度のレベル。

構成:所 隼登

(本記事は宮崎県小林市と協働製作したスポンサードコンテンツです)


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