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平戸で釣りができる暮らし!釣り好き青年が地元で新たな挑戦/vol.1

地元・平戸を盛り上げたいとUターン移住

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長崎県の北西部にある平戸市。古くから海洋交易で栄えた街だが、現在は日本全国の地方自治体の例にもれず、人口減少の問題を抱えている。現在の平戸市の人口はおよそ33,000人。10年前に比べると、6,000人ほど減っているという。今回は、そんな街を盛り上げたいと東京からUターン移住をした若者、力武秀樹(りきたけ・ひでき)さんの物語。

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長崎・平戸ってどんなところ?

さて、本題に入る前に、移住の舞台となる平戸島について解説を少し。長崎県平戸市は、県の北西部にある平戸島、生月島(いきつきしま)、度島(たくしま)、的山大島(あづちおおしま)、平戸島の対岸の九州本土の北松浦半島北西端の一部が行政区域としている。島の大きさは、南北に32km、東西の最大幅約10kmとなっている。島ならではの豊かな自然が残っていて、シーカヤックなどマリンアクティビティも盛んだ。

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写真提供:山彦舎

力武さんは平戸島の出身だが、現在は九州本土側の田平地区でカフェを開業。33歳の青年は、どんな思いでUターン移住をしたのだろうか。

東日本大震災を機に仲間が東京から離れていった

「移住のきっかけとしては、よくある話だと思いますが、2011年3月11日の東日本大震災です。僕は東京で映像ディレクターをしていましたが、3.11以降、友達たちが鎌倉とか千葉の真ん中のほうとか、少しずつ東京から離れて暮らしだしたんです」(以下、すべて力武さん)

東京で震災を経験したわけだが、ちょうどその少し前くらいから力武さん自身、仕事のあり方について考え出したタイミングでもあった。当時、仕事は東京でしかできないことがいいと思っていたものの、仕事以外のプライベートな暮らしの部分でいえば、東京にこだわる理由は見つからなかったそう。

「とりあえず、都会は離れようと考えました。でも地元に戻るって選択肢は当初はなかったですね。漠然と“地方”かなと。そのくらいでした」

どこに行くか。どこで暮らすか。力武さんはどうやって決めていったのだろうか。

最初は“釣り”を軸に移住先を検討

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「僕のなかではプライベートな部分でいうと、最初は移住先を考えたとき、“釣り”を優先して考えました。小さいころからずっと好きだったんです。映像ディレクターとして、ずっと地上波のバラエティーを担当していたんですが、最後の1年半は釣り番組の担当になって、それで全国各地を回る機会が多くなっていました。そのなかで、いいところだなと思ったのが愛媛県の宇和島。まあ四国がすごくいいなと思った」

平戸島で育った少年時代から釣りが大好きだった力武さん。釣り番組を担当し、日本全国を巡るのは大変ながらも楽しい日々だった。

「基本的にはおかっぱりが多い。たまにカヤックフィッシングもやりますけどね。それと僕の場合、釣りとキャンプがセットなんです。といっても、キャンプが好きっていうよりは朝が弱いので、テントを持って前乗りすれば、朝早くから釣りができるから」

釣り番組で訪れた愛媛県の宇和島。宇和海に面し、リアス式海岸が広がり、漁港の数も全国有数だ。釣り好きにとってはまさに楽園といっても過言ではない。しかし、最終的には、生まれ育った平戸市を選ぶことに。

「宇和島は確かによかった。当初はけっこう本気でした。でも、宇和島がいいなと思ったのは“釣り”というプライベートな目線から。これには仕事の面は全然含まれていないわけです」

移住先を考えるとき、だれしもまずはどんな暮らしがしたいかを想像する。登山が好きなら山の近く、サーフィンが好きなら海の近くなどと考える。そして、次に「じゃあ、そこでどんな仕事をするか」を考え始めるのではないだろうか。

力武さんも最初は東京を離れて、好きな釣りをできる場所ってどこかなと考えた。しかし、仕事のことも検討し始めると、そこではないと思ったという。

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移住を考え始めたタイミングでまず仕事を辞めた

「震災後に東京を離れようと思ったときに、まず仕事を辞めたんです。どこに住むかとか、次はどんな仕事やるかとか、今後のプランを決める前にまず辞めました。僕の中では、ひとつ決めたらそれをまず実行してしまう」

力武さんは、東京での暮らしになにかしら変化を起こし、動くことから始めた。

「それまで映像業界でしか働いたことがなかったので、仕事といっても次はどうしようかと悩んでいたんです」

なかばニートのような暮らしをしていたとき、たまたま見た夕方のニュースが転機となった。

「2011年当時、ソーシャルビジネスとかコミュニティビジネスとか、そういうのが少しずつ話題になりつつありました。当時、政権を担当していた民主党が職業訓練事業をやっていて、社会起業家を養成する講座を開くというニュースでした。それを見て面白そうだなと。ヒマだし行ってみようかなと思って、半年間の講座を受講することにしました」

その講座は非常に豪華な講師陣がそろっていたという。「NPO法人育て上げネット」工藤啓さんや「ケアプロ株式会社」川添高志さんなど、今をときめく社会起業家の方々から直接、話を聞くことができた。

「僕的にはソーシャルビジネスとかコミュニティビジネスの話を聞いていろいろ衝撃を受けて、なんとなく自分もこういうことがしたいなと思うようになりました。なかでも、僕は地域を元気にするっていうテーマにすごく惹かれた。どうせ、それをやるんだったら知らない土地よりも自分の地元でやろうと思ったんです」

もちろん、平戸は海に囲まれていて釣りもできるし、自然も豊かだ。仕事の面でも、プライベートの面でも、平戸は両方を満たしてくれる場所だと気づいた。

そして、震災から1年ほどが過ぎた2012年4月、力武さんは故郷である長崎県平戸市に戻ってきた。地域を元気にしたいという思いを抱き、Uターン移住を決めたものの、具体的なプランはそのときはまだなにもなかった。

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九州本土と平戸島をつなぐ平戸大橋


vol.2へ続く】

その後、力武さんがどんな仕事を始めたのか、移住後の暮らしについてはまた次回(vol.2)。お楽しみに。

 

力武さんが開いたカフェ、長崎県の移住情報はこちらまで。

『3rdBASEcafe』
フェイスブック:https://www.facebook.com/thirdbasecafe/
ながさき移住ナビ

http://nagasaki-iju.jp/

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text:george

【PROFILE/george】

茨城県東海村出身の32歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。4年前の朝霧ジャムに行って以来、アウトドアにハマる。テントはMSRのエリクサー3、タープはZEROGRAM。車を持っていないので、キャンプに行くときは知人の車に相乗りが常。なので、基本の装備は「軽くコンパクトに、友人の負担にならないこと」が信条

 


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