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そこまでやる!? ゴアテックス プロダクトの徹底した品質管理

前回の記事はこちら>(ゴアテックス プロダクトっていったい何!? 素朴な疑問をメーカーに直撃!

取材して納得! ゴアテックス ウェアの価格の背景とは?

THE NORTH FACE、HAGLÖFS、patagonia、MERRELLなど、さまざまなアウトドアブランドのウェアやシューズでゴアテックス ファブリクスは使われている。アウトドア好きであれば、さまざまなショップでゴアテックス プロダクトのタグやラベルを目にしているだろう。

店頭でゴアテックス プロダクトのロゴを見る機会が多いが、そもそもゴア社は素材提供元であり、最終製品の販売は行なっていない。それなのにどうして、ここまでゴアテックス プロダクトのタグやラベルが明示されているのか。

少々お高めなアイテムが多いが、その背景を探ると製品への責任感と確固たるプライドがあり、価格に見合った十分すぎる価値があることがわかった。

素材メーカーでありながら製品をすべてチェック!

「ゴアテックス プロダクトのタグやラベルがついている製品は、すべてゴア社で品質チェックをしています」

そう話すのは、日本ゴア社でゴアテックス プロダクト マーケティングを担当する平井康博さん。

生地を提供して終わりではなく、プロダクトに落とし込まれた最終形態までチェックすることで、ゴアテックス テクノロジーの機能性を担保しているのだ。その証がタグであり、ラベルだ。

「生地に防水透湿性があったとしても、適切な形で最終製品にならないと意味がありません。そこで、ゴア社とブランド、生産工場の三者でお互いに品質を維持して高め合っていく枠組みをつくりました」

その枠組みが「ライセンシープログラム」だ。

「商品を作るブランドさんとのトレードマークライセンスという契約を結んでいます。これを結ばないと生地の販売はできないですし、商品を作ることも、タグをつけることもできません。さらに、ウェアやシューズの生産工場もゴア社の基準を満たすところのみと契約を結び、ゴアテックス プロダクトの生産と品質の維持に取り組んでいます」

適切な作り方や気をつけるべきポイントなどのアドバイスをしてバックアップする技術のコンサルタントがゴア社にはいるという。

そして、もちろん生産工場だけでなく、仕上がってきた製品へのチェックも怠らない。ゴア社では、市場に流通する前に新しいスタイルやデザインの製品の防水性と透湿性をチェックをするため、スタイル認定というものを行っている。

”スタイル認定”で各ブランドの新製品をチェック

「ウェアもシューズもすべてに行っています。どういうことかというと、ウェアに関しては“防水設計になっているか”“『ゴアテックス アクティブ プロダクト』や『ゴアテックス プロ プロダクト』といった、各クラスに期待されるパフォーマンスを発揮できているか”など、すべて機能と品質をチェックしています」

たとえば、ゴアテックス ファブリクスは防水だが、縫い目だったり、ポケットの位置だったり、きちんと処理や計算して設置しないと浸水してしまう。ゴアテックス テクノロジー本来の性能を発揮できているかをチェックしているのだ。

「中国にゴア社のラボがありまして、そこに製品を送ってテストします。雨が降っている環境を再現したレインルームで、ウェアをマネキンに被せて一定時間、雨を降らせます。もしファスナーや生地の縫い目、設計に問題があれば中のマネキンが濡れてしまいます。新しいスタイルを承認するまで、さまざまなチェックポイントがあります」

レインルームでは小雨から豪雨まで、さまざまなシチュエーションを想定したテストが行われている

ウェアだけでなく靴のテストも行なっている。

「靴に関しても同様にチェックポイントが多くあります。ゴアテックス フットウェアはゴアテックス ファブリクスだけではなくて、レザーやナイロン、メッシュなど、いろいろな素材と組み合わさってできているわけです」

靴の場合、ウェア以上にさまざまな素材やパーツが組み合わさるので気をつけるポイントが多い。ゴアテックス ファブリクスを使っていても、表の生地から水がまわりまわって内部にしみてしまったら意味がない。

アクティビティに合わせて選べるプロダクトクラス

ゴアテックス プロダクトにはアクティビティに合わせて選べる、以下のプロダクトクラスというものがある。

【アウターウェア】

『ゴアテックス プロ プロダクト』高所登山やマウンテニアリング向けに耐久性を重視したクラス
『ゴアテックス アクティブ プロダクト』ハイエアロビックな活動のための透湿性を重視したクラス
『ゴアテックス プロダクト』もっとも代表的で幅広い用途に向けて展開したクラス

【フットウェア】

『ゴアテックス パフォーマンス コンフォート フットウェア』汎用性が高く、季節や天候を問わずあらゆるシーンに対応したクラス
『ゴアテックス エクステンデッド コンフォート』暖かい気象条件下、長時間の着用や発汗量の多い活動向けて透湿性を重視したクラス
『ゴアテックス インシュレイテッド コンフォート』アウトドアからカジュアルまで保温性に特化したクラス

「『ゴアテックス プロ プロダクト』というカテゴリは、山岳ガイドや極地に行かれる方向けのウェアなので、より高い耐久性、透湿性、防水設計が求められます。『ゴアテックス プロ プロダクト』は通常のレインテストに加えて、横からの雨風を想定した風雨試験も義務づけられています。激しい雨風と広範囲にわたる気象環境から体を守るためにエクストリームウェットウェザー構造という高度なデザイン技術で作られています。ゴアテックス メンブレンと張り合わせる表の生地は耐久性や強度を考慮して40デニール以上の比較的しっかりしたものを使うという規定があったりします」

使われる環境や動きの量に応じて、カテゴリ分けをして、適した基準を設けている。

「一方、『ゴアテックス アクティブ プロダクト』は、ランニングとかサイクリングとか、短時間で汗をかくスポーツ向けのプロダクトクラスなので、透湿性や軽量性を重要視しています。こちらはデニール数の少ない薄くて軽い表生地の使用を定め、ウェアの総重量にも規定があります。ウェアを軽く、高い透湿性を発揮することが目的なのでポケットや構造もよりシンプルなものが多いです」

デザイン、ファスナーの取り付け方、ポケットの位置や数など、機能を追求していくと一定のデザインに帰結するのだ。機能がデザインに直結しているのが非常に興味深い。

日々の生産の中でも品質をチェック

品質チェックはこれで終わりではない。スタイル認定を通った後も品質維持への取り組みがなされている。

「スタイル認定で合格した後も、量産化していくなかで日々の品質を維持しなくてはなりません。防水性をより確かにするためにいくつかのテストが義務付けられています。そのひとつが縫い目に水圧をかけて確認する防水性のテストです。ゴアテックス プロダクトの各パーツの縫い目にはゴア シーム テープという専用の目止めテープが施されていて、縫い目から内部への浸水を防いでいます。

たとえば、テープを接着するマシンの設定が間違っていたり、調子が悪く適切に接着ができていないと隙間から水が浸入してしまいます。そういったことを事前に、またはいち早く発見するために日々の品質管理が非常に大切なのです」

セントリヒューガルテスター:ゴアテックス フットウェアに水を満たし、高速で回転させる。遠心力による圧力でどんな小さな穴からも水漏れを発見できる。この試験も各工場で実施されている。

ユーザーの快適性を守るための徹底した品質管理

ゴアテックス プロダクトは、素材メーカーであるゴア社とブランドと生産工場の三者が妥協せずにひたすら品質を追求することで生み出されている。そのモノづくりの背景を知れば、その徹底ぶりに驚くはずだ。

素材メーカーとして、ある意味、異例なほどの厳重な品質管理体制を築いているとも言える。しかし、ひとえにこれはユーザーの快適性を思えばこそ。そして、数多くのチェックをくぐり抜けたアイテムにゴアテックス プロダクトのラベルやタグがつけられているのだ。そして、そのタグにはブランドポリシーの“GUARANTEED TO KEEP YOU DRY”が記されている。

取材協力:日本ゴア社 ホームページ https://www.gore-tex.jp/

取材・文/george

【PROFILE】

茨城県東海村出身の33歳。インテリア雑誌、週刊誌、書籍、ムックの編集を経て、現在Webディレクター。アウトドを主軸にしながらも地方移住などローカルトピックにも積極的に関わっている。


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