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山の中で創造するTHE SUPERIOR LABOR-田舎から世界への発信-

NAP代表、ディレクター兼デザイナー/河合誠さんインタビュー その1

デニム産業で有名な岡山。「日本製」を売りにしたデニムの名は世界に轟き、各国からデニムマニアが岡山の海側、児島地区を訪れる。

しかしNAP(ナップ)代表、ディレクター兼デザイナーの河合 誠さんはそんな独特な産業に異を唱えるように、岡山の山奥にある複合施設NAP VILLAGE(ナップビレッジ)からTHE SUPERIOR LABOR(シュペリオール レイバー)を発信する。

河合さんはもともと岡山の海側、しかも人が賑わう街中エリア出身。なぜ大都市を捨て、人里離れた山奥へ移住したのだろうか。

 

cazual編集部(以下、c) THE SUPERIOR LABORと言えばトートバッグがアウトドアでも大人気となっているブランドですが、THE SUPERIOR LABORをはじめたのはいつごろですか?

河合さん(以下、) 2006年に準備し始めて、2007年の春夏、SSからですね。

c ブランド立ち上げと同時に、会社としてNAPを設立したんですか?

 1999年からペット用品のお店をはじめて、その店名がNAPだったんですよ。

そのあと会社を法人化するときに社名にして。

c ペット用品は、いまでも扱ってるんですか?

 いまはもうやってないです。

c ブランド名のTHE SUPERIOR LABORを訳すと「優れた労働者」ですけど、岡山中の優秀な職人さんを集めてブランドを立ち上げたんですか?

 最初は夫婦2人、スタッフ1人の3人。自分のできる範囲のアイテムから作りはじめたんです。

ブランドを立ち上げる前もちょっとは服飾の仕事したりとか、そのペット用品やりながらやってたんですよ。

岡山の産業は特にデニムが有名。

ブランドを立ち上げるときに縫製工場まわりをしたんですけど、「メイドインジャパン」とか「メイドイン岡山」とか言うわりに、日本人が作ってない現場ばっかり。その当時は中国人の研修生っていう女の子たち、いまは中国人とベトナム人が多いのかな。外国人が作ってるってことに特に異論はないんですけど、日本人が作ってないっていうのはどうかなって感じたんです。

ファクトリーブランドみたいなところで日本人のことを聞いても「どこそこの企画やってます」とか、「どこそこのパタンナーです」とか、そういうポジションの話ばっかり。「じゃあ、日本人は縫ってないの?」っていう話になる。

そういうのが岡山の現状って思うと、ひと括りにはされたくなかった。

そんな経緯が、こっちに移ってきた1つでもあるんですけど、当時は町工場がやりたかったんです。

c 町工場っていうと、具体的には?

 ペット用品の仕事をするずっと前に、自動車修理の仕事をしてたんです。

そこの会社が単純に事故車の修理とかだけじゃなくて、新型車の試作の部分的な加工とかを依頼されたりして。表向きは自動車板金塗装屋さんあって、うらには鉄工所があって、2つで1つの会社だった。

当時としては3次元のレーザー加工とかまだはしりだったころにその会社は機会を持ってて、そこでいろいろ最新の加工したり、それでいて古い車のレストアとかも受けてたり。

働いて、汗かいて、仕事終わってビールを飲んで。そういう町工場が好きだった。

それをアパレル業の中でやりたくて。

c 自分がデザインして、自分も労働力としても稼働するってことですか?

 そうですね。

バッグだけでなく服も長いこと作ってるんですけど、最初は革小物とバッグでブランドをはじめて、そういうものを持つための服はこういうのがいいなってので、はじめは服を外注で作って。そのうち自分たちで作りたくなって、縫製工場を作ったんですよ。

c そのころは、どこで作業してたんですか?

 もともとは岡山市内の街中。

縫製工場を作るときに安い物件が倉敷に見つかったんで、そこを借りたんですよ。

洋服も作りはじめたころからスタッフが増えてきて。

 

c ブランド設立時は岡山市内だったんですね。このNAP VILLAGEに移ってきたのはいつごろですか?

 6年前の春ですね。

こっちに移ってきた理由は複数あるんですけど、1つは犬の躾のこと。

もともとはペット用品店をやってたぐらいだから、いまもですが、ずっと犬を飼ってて。

当時は大きい犬を3頭飼ってたんです。

ペット用品の仕事の延長線で、ドックショーや訓練競技会に出たり、色々やったんです。

ひと通りやった結果、誰にも文句言われない自分の土地があったら、躾とか必要ないなと思えた。ゆくゆくはそういう場所を手に入れたいてっていうのをずっと思ってた。

もう1つの理由は、岡山と倉敷に会社が2つに別れてたんで、それを1つにしたかった。

僕が代表としていても、2つ拠点があると、どうしてもそれぞれに責任者みたいのを置く。

すると「あっちが遅い」とか「あっちが失敗した」とか、いい話がでないんですよ。

いいことがあっても、それが普通ってことになる。悪い話だけが「あっちのヤツ」、「こっちのヤツ」っていう。「あっちのヤツが頑張ったから良かった」みたいないい話は、まずない。

悪いことだけが報告されるんで、いつか1つにしないといけないと考えてたからなんです。

 

岡山と倉敷に会社が2つに別れていた拠点を1つにしたかった。

思い描く理想を1歩ずつ実現していく。

河合 誠さんインタビュー その2

「なんでもあるけど、すべてが足りない」地方都市の中心部を離れ、山奥の廃校へ に続く

 

NAP VILLAGE(ナップビレッジ)

岡山県加賀郡吉備中央町上田東字ハチガハナ2395-5

電話 0867-34-1117

NAPホームページ http://nap-dog.com

 


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