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初心者必読!10年ぶりのスノーボード。いまどきのスキー場ってどうなってるの?

日本でスノーボードブームが巻き起こったのは1990年代だった。以来、冬のレジャーとして定着したスノーボードだが、最近は親子連れでゲレンデに戻ってくる方も増えてきていると聞く。自宅に昔の道具はあるけれど、初心者のまま10年間は出かけていないなんて方のために、最新のスノーボード事情をご紹介! 第3回は、今も昔も人気のスキー場であるGALA湯沢スキー場でゲレンデの最新事情を聞いた。

>>短期集中連載【10年ぶりのスノーボード企画】第1回/古い板とブーツは使えるの?

>>短期集中連載【10年ぶりのスノーボード企画】第2回/古いウェアって使えるの?

1990年代の第一次スノーボードブームの時代には、ゲレンデでリフト乗車を何十分も待つなんてのは当たり前だった。そんな時代に比べると現在のスキー場の設備は快適性・利便性が高まっているほか、変化する顧客ニーズにもスピーディに対応しているようだ。

新幹線直結の便利なスキー場

  

今回の取材に協力してもらったのは新潟県南魚沼郡にあるGALA湯沢スキー場。数あるスキー場のなかでも、新しい設備の導入など話題が豊富で、最先端のゲレンデ事情の例を聞くにはうってつけだ

GALAはJR東日本グループのスキー場として1990年冬に開業。一番の特徴は施設と上越新幹線の駅(ガーラ湯沢駅)が直結している点だ。「新幹線で東京駅から最速75分」、「改札を出れば目の前にチケットカウンター」。若者のクルマ離れが言われて久しいが、クルマでなくとも手軽に行けて、一日を有効に使えるメリットは大きい。

改札を出れば、目の前がチケットカウンター! ほかにない便利さがGALAの大きな特徴。

レンタルは最新モデルが充実

最近の目新しい話題を尋ねると、まずレンタル用品の充実が挙げられるとのこと。「手軽に行けるスキー場がコンセプトです」とGALA湯沢スキー場 東京営業所の齋藤友里さん(以下、すべて同じ)。

アクセス便利なスキー場に気軽に遊びに来てほしい。そんな思いから開業当時よりGALAでは板やブーツ、ウェアなどレンタル用品が充実していた。現在は充実ぶりがさらに増して、サロモン社製の板、ブーツ、ウェアは毎年最新モデルを取りそろえている。スキー3,000台、スノーボード2,500台、ウエア2,000着、ソリ600台と、品ぞろえは世界最大級。また、レンタルウェアはカラーバリエーションも豊富だ。

サロモンの最新モデルがずらりと並ぶ、レンタルスペース。

「現在、レンタルのお貸出しはスキーとスノーボードがほぼ同じ割合です。レンタルウェアはカラーバリエーションが豊富なため、昔の修学旅行のように全員が同じものを着ているなんてことはありません。GALAならスキーやスノーボードをお休みしていた道具のない人でもすぐに再スタートOKです。また、キッズ、上級者のためのレンタル用品(編注※上級モデルは利用料金が異なります)も用意しています」

レンタル用品をウェブで簡単事前予約

レンタルの手順については、ホームページからウェブによる事前予約か、スマホから申込み用紙を作成し発行されたQRコードを提示するか、2つの方法で申込みができ、よりスピーディに借りることができる。カウンターでの受け渡しは実にスムーズだ。しかもウェブでの事前予約だと20%割引なのもうれしい。こういったウェブ予約やIT化は10年前とは異なる部分だろう。

ウェブでのレンタル予約、またはスマホから申込み用紙作成がスマホから簡単に行える。

親子世代にうれしい設備が増えた

かつてのスノーボードブームを知る世代が親となり、子どもとともにゲレンデに戻るケースが増えている。こうした人たちに向けての新しい取り組みも進んでいるそうだ。

ソリ遊びゲレンデ、雪遊びコーナーがある「ゆきあそびパーク」を設けている。ネットで囲まれているので安心して子連れで楽しめる。

ゆきあそびパークの様子。トンネル状の設備がスノーエスカレーター。内部は大きなベルトコンベアー状になっていて、子どももラクに斜面を移動することができる。

小さい子どもがいる家族連れや外国人の方に好評だ。

また、10年ほど前から新幹線往復と子どもレンタルがセットになった新幹線旅行商品「ファミリーGALA」(日帰りの場合、1名1万1900円~1万3100円 税込)は依然として根強い人気がある。そのほかに第3日曜は小学生以下の子どもはリフト無料、ゆきあそびパークのスノーエスカレーター設置など、親子連れを意識した工夫は多い。なかでも2017年に新設した3階のファミリーロッカーは好評だ。

「従来のロッカールームは男女別でした。家族連れの場合、かつては着替えの段取りを考えて、お父さんとお母さんがコンコースで男女の荷物を振り分ける姿も見られました。が、いまは家族でひとつのロッカーを借りられるので利用する方が増えました。ファミリーロッカーはカップルでの利用もOKです」

ファミリーロッカーは、性別を問わずグループで使えるほか、カーテン付きブースが10か所あるので子どもとパパ、ママが一緒に着替えられる。ロッカー前で男女の荷物を仕分けせずに済み、子どもの着替えも夫婦で世話できるため、非常に重宝がられている。

「スポンジ・ボブ スノーキャンプ」(4歳以上対象のスキーとスノーボードスクール)を完備しているので、スキーやスノーボードが初めての子どもでも安心。

そのほかにも……

新幹線のデザインを施したゴンドラは子どもに人気。JRならではのサービスだ。

スノーボードの楽しみ方に合わせ、コースに変化が

本連載の第1回、第2回でも、スノーボードの楽しみ方が変化してきた状況をお伝えした。滑り方の変化はゲレンデのコースの設計にも影響がある。

「過去、空前のスノーボードブームに後押しされ、本格的なパークコースを設置するスキー場が増えた時期があります。GALAでもジャンプ台やハーフパイプなど本格的パークコースを北エリアに設置していましたが、現在は高い雪質を生かしたゲレンデをメインに営業しております。現在はフリーランやグラトリ、パウダーランなど、ニーズが多様化したことで、相対的にパークの需要が減っていることが背景にあります」

そのほかにも……

今シーズンから場内に“夢の鐘”(写真)、“絆の鐘”を設置。以前から設置されている“愛の鐘”の3つの鐘を巡り、キーワードを集めて応募する3ベルラリーを開催中。写真映えスポットとして、SNSでも人気を博している。スノーボードやスキーをしなくても行ける愛の鐘展望台は人気が高く、ライト層への新しいスキー場の楽しみ方を提案している。

海外からの来場者への対応は?

日本中の観光地と同じく、GALAにも海外からの旅行者の利用が非常に増えている。スキースクールは、なんと中国語、タイ語、英語にも対応。通訳がヘルメット内のマイクで講師の説明を翻訳して伝えているのには驚かされる。

6人乗りのソリに乗る、雪景色遊覧ツアーは日によって順番待ちができるほど好評だ。

また、今シーズンは来場者の2割弱が海外からというGALAで人気なのが、雪遊びだ。スキーやスノーボードと違い、誰でも楽しめるソリをはじめとする雪遊びを充実させている。4シーズン前からかんじきを履いてガイドと雪山を回る「かんじき散策ツアー」を、昨シーズンからはスノーモービルがけん引するソリに乗る「雪景色遊覧ツアー」を始めていて、人気を集めている。

外国人にも大人気のかんじき散策ツアー。

GALAに来る外国人観光客は、欧米よりも、雪が珍しいASEAN諸国の旅行者が多いという。本格的なスノースポーツを求めている旅行者というよりは、東京からのアクセスがよい点が評価され、東京観光のついでに母国では見られない雪を楽しみに来ているのだ。

さらに、昨年からは提携施設のもとに足を延ばす「イチゴ狩りツアー」(1月下旬~4月下旬)を企画し、より幅広い層が楽しめる工夫をしている。

最盛期に迫りつつある来場者数

「たくさんあるスキー場のなかなら選んでもらうために、毎年新しい提案を行っています。来年は開業30周年。最盛期は38万人のお客様がいらっしゃいました。この6年は30万人超の来場者を維持していて、今年は35万人前後の結果になりそうです」

来場者数は、一大ブームだった時代の数にずいぶんと近づいていることがわかった。正直、もう少し落ち込んでいるのかと思ったが、やはり最近のアウトドアブームもあり、スノースポーツを楽しむ層がふたたびゲレンデに戻りつつあるようだ。

「最近は往年のスキーヤー、ファミリー需要も増えてきています。クルマを持たない若者にも新幹線でゲレンデに行くスタイルが定着してきたように思います」

10年ぶりのスノーボードともなれば、自身の体力も落ちてきているし、滑った後は疲れもあり、運転が大変という人もいるはず。さらに、家族で行く場合は、子どもの世話もあり、気を使って、体力とは違う疲れを感じるかも。新幹線でラクにアクセスできるGALAは、子持ち30代、40代の選択肢としては大いにアリ。

しかも、手ぶらで快適となれば、しばらく遠ざかっていた人も気軽な気持ちでゲレンデに戻ってみてもよいのでは?

GALA湯沢スキー場 施設情報

住所:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢字茅平1039-2
TEL:025-785-6543(シーズン終了まで)
営業時間:8:00~17:00(通常営業日)
※2019年4月1日~5月6日は 8:00~16:30
※4月1日~4月26日の平日は8:00~16:00
※スキーセンター営業時間は最終新幹線発車時刻による
※2019年5月6日(月)まで営業予定。営業期間・営業時間は天候等により変更する場合がありますので、ホームページにてご確認ください。
https://gala.co.jp/

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文・T.Kawata、CAZUAL編集部


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